プロフィール
佐々木 秀明
ささき ひであきネイチャー やまはな館 勤務
理学療法士
脳神経外科の急性期病棟に、理学療法士として新卒入社。脳卒中やくも膜下出血などの急性期リハビリに携わる中で、“退院後の生活をどう支えていけるか”という課題に関心を持ち、ホスピス業界への転職を決意。2024年、株式会社ネイチャーに入社し、ナーシングホームなつれ やまはな館で新たなスタートを切る。
※本記事は2025年11月時点の情報を掲載しています。
以前は、急性期病棟の理学療法士として勤めていたとお聞きしました。
脳神経外科を専門に、脳に障がいのある患者さまのリハビリに携わっていました。退院を目指した機能回復の支援を行う中で、次第に「その後の生活はどうなるのだろう」という思いが生まれました。病院では、患者さまと関われる時間が限られています。元気になってご自宅に帰ったあと、その方の生活や心の支えまで関わることができないことに、もどかしさを感じていました。
そうした経験を通して、より生活に近い場所でリハビリやサポートを行いたいという思いが強まり、ホスピス型住宅での仕事に関心を持つようになりました。その頃にネイチャーを知り、ここならその思いを形にできると感じ、入社しました。
実際にホスピス業界に飛び込んで、感じたことをお聞かせください。
「リハビリを行う場」から「暮らしの中で寄り添う場」へと変わり、一人ひとりの人生や生活にじっくり向き合う仕事なのだと、あらためて実感しました。日々の会話や何気ない仕草の中に、その方の思いや性格が見えてくる。そうした小さな気づきを積み重ねることで、その人らしい生活を支えられることが、ホスピス型住宅の仕事のいちばんの魅力だと感じました。
急性期病棟で培った観察力やコミュニケーション力も、介護の現場では大きな強みになっています。人と関わることの奥深さを、日々あらためて感じていますね。

現在の業務内容について、お教えください。
ご入居者さまが今の身体の状態をできるだけ維持できるように、歩行訓練などのリハビリを行っています。寝たきりの方や、病院のように回復を目指すのではなく、立ち上がり・起き上がりといった介助が必要な方を対象に、今の暮らしを穏やかに続けていくためのリハビリです。
身体の回復にはどうしても限界があります。だからこそ、気持ちの面でのケアが何より大切だと感じています。ご入居者さまが何を目標に生きていくのか、どんなことにやりがいを感じるのかを一緒に考え、そのきっかけをつくっていくことも、ホスピス型住宅での介護の大切な役割の一つです。心と身体の両面から寄り添いながら、日々のリハビリを行なっています。
スタッフの皆さんとの関わりや職場での雰囲気はいかがですか。
スタッフ同士の距離が近く、何でも話し合える職場です。介護職や看護師が、それぞれの立場から意見を出し合いながら、ご入居者さまのケアに取り組んでいます。
私自身も日々のコミュニケーションを大切にしており「今日は立ち上がりがスムーズだった」「少し疲れているように見えた」といった変化は、その日のうちにスタッフへ共有するようにしています。
その際は、ただ伝えるのではなく、状態を整理したうえで報告することを心がけています。職種によって捉え方が異なることもあるため、情報を丁寧に伝え合い、チーム全体が同じ方向を向いてケアができるよう意識しています。

今後の目標をお聞かせください。
理学療法士として、これからも自分の専門性を高めていきたいと考えています。今後は認定理学療法士の資格取得を目指して、より専門的な知識と技術を吸収していきたいです。そこで得た学びを現場に還元し、ご入居者さまに合ったリハビリを提供したいと思います。
ご入居者さまが昨日より少しでも楽に動けたり、笑顔を見せてくださったりすることが、私にとって何よりのやりがいです。そんな瞬間を一つでも増やしていけるよう頑張りたいです。
これから入社を考えている方へメッセージをお願いします。
この職場で働く理学療法士の魅力は、ご入居者さまと長い時間をかけて向い、心を通わせることができることだと思います。人としての距離が近く、ケアやリハビリを通して会話を重ねるたびに、少しずつ信頼関係が深まっていきます。「リハビリを続けてから足が少し動くようになった」「お風呂のとき、歩くのが楽になった」。そんな言葉をいただいたときに、頑張ってきてよかったと心から感じます。 私たちが支えているのは“身体”だけではありません。“心”にも寄り添いながら、ご入居者さまの暮らしを共に考え、支えていくことです。人と関わることが好きな方や誰かの力になりたい方にとって、この仕事はきっと大きなやりがいを感じられると思います。




