Interview

看護の力を介護へつなぎ、笑顔があふれる施設づくりを。

馬場 昌子

馬場 昌子

ばば まさこ
看護の力を介護へつなぎ、笑顔があふれる施設づくりを。

プロフィール

馬場 昌子

馬場 昌子

ばば まさこ

ナーシングホームなつれ 清田館 勤務

看護師/訪問看護/看護主任

整形外科の病院で約10年間、臨床看護師として勤務後、2017年に株式会社ネイチャーに入社。ナーシングホームなつれ やまはな館で看護業務に従事し、看護主任に就任する。現在は清田館の看護師として勤務する傍ら、訪問看護師として地域のケアも支える。

※本記事は2025年11月時点の情報を掲載しています。

人生の節目に出会った “看護師”としての新たなステージ。

現在の業務について教えていただけますか?

訪問看護ステーションに所属しながら、清田館の看護師として勤務しています。ご入居者さまの日常生活を介護スタッフと協力しながら支えることが中心で、食事や排せつなどの身体介助に加えて、訪問看護師のサポート、医師の訪問診療時の対応、急な受診や処置への対応などを行っています。また、人手が足りないときには、訪問看護師として外に出ることもあります。施設内外の両方で動きながら、ご入居者さまの生活を医療面・介護面の双方から支えることが私の役割です。看護と介護をつなぐポジションとしても、日々の小さな変化を見逃さず、安心して過ごしていただけるよう努めています。

ナーシングホームなつれに勤めたきっかけをお教えください。

これまでは、整形外科の病院で臨床看護師として働いてきました。勤務10年を迎えた頃、病院の体制が変わるタイミングがありました。当時55歳だった私は「このまま定年まで同じ環境で働くのか」「それとも新しい分野に挑戦してみるべきか」自分の働き方を改めて見つめ直す時期でした。「転職するなら、体力的にも気力的にもまだ動ける今のうちに」。そう考え、転職活動を始めました。しかしその頃は、医療業界全体で若い人材を採用する流れが強く、現場で経験を積んだ世代にとっては、就職活動が難しい状況にありました。そんな中で出会ったのが、ホスピス業界です。病院とは異なり、施設や在宅の現場では、一人ひとりの生活を長く支えることができます。「医療の中の一場面」ではなく「暮らし全体」に関われる、そんな部分に魅力を感じ、ホスピス型住宅の世界に挑戦し入社しました。

自身の経験を持ち寄り、気づきを分かち合える環境。

現場の雰囲気は、どのような感じですか?

清田館は、看護と介護といった職種に関わらず、気づいたことをすぐに共有し、困りごとは、その日のうちに話し合うような風通しの良い環境です。ここに務める看護師の多くは50代から60代前半で、私と同世代が中心。年齢が近いこともあり、指導する・されるという関係よりも、互いの経験を持ち寄って支え合う雰囲気があります。これまでの職場や専門分野はそれぞれ異なり、精神科や外科、老年看護などのバックグラウンドを持つスタッフが集まっているので、現場で何か課題が生じたときも、さまざまな視点から意見を出し合えています。ご入居者さまをケアする際にも大きな支えになっていますね。

スタッフ同士の連携が強いと、ご入居者さまも心強いですね。

スタッフが積極的に関わることで、表情が豊かになるご入居者さまも多く、ケアの大切さをあらためて感じます。清田館は認知症ケアに力を入れている施設なので、ご入居者さまができるだけ人との関わりを持ってお過ごしいただけるよう、会話や交流の時間を大切にしています。

また自立度の高い方が多いフロアでも、ご本人の意思を尊重しながら、スタッフがこまめな声をかけをしています。「今日もお変わりありませんか」と顔を合わせて声がけする、その何気ない会話が、ご入居者さまにとっての励みになると考えます。一人ひとりの表情や声に耳を傾けながら、安心と笑顔を積み重ねていくことこそ、私たちの仕事の原点です。

チームの情報共有を強化し、より良いケアへとつなげたい。

看護主任として、どのような施設を目指していきたいですか。

私たちの職場には、病院や施設など、さまざまな現場で経験を積んできたスタッフが多く在籍しています。それぞれの得意分野や強みを持ち寄り、より幅広い視点からケアを考えていける環境をつくりたいです。

そのためには、情報を共有し合える雰囲気づくりが欠かせません。ミーティングの場では「○○さんは以前こういう現場で働いていたんですよね」「その経験をぜひみんなに教えてください」といった問いかけを、意識的に増やしていきたいと考えています。お互いの経験から学び合い、知識を共有することができれば、チームとしての成長につながります。スタッフ一人ひとりの経験を、施設全体の力にしていきたいです。

今後の目標をお聞かせください。

これからも、ご入居者さまやご家族の思いをできる限り尊重し「こんな生活を送りたい」「こんなことに挑戦してみたい」といった希望に寄り添っていきたいです。感染対策も落ち着き、面会の機会も増えてきました。ご家族さまと過ごす時間は、ご入居者さまにとって大きな励みになると考えます。「いつでも会える場所」「みんなが関わってくれる場所」と感じていただけるよう、日々の関わりを大切にしながら、スタッフ同士のチームワークも強化していきたいです。また、医師や多職種との連携を深め、状況に応じて柔軟に動ける環境づくりを進めていきたいと考えます。そんな想いに共感し、お互いを高め合いながら成長していける方と、一緒に働けたら嬉しいですね。